Excel作業が属人化する理由と、自動化以前にやるべき整理
Excelの自動化というと、
「マクロを組む」「Pythonで処理する」といった技術の話を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし実務の現場では、
自動化以前の段階でつまずいているExcelが非常に多いのが実情です。
・なぜかこの人しか触れない
・引き継ごうとすると説明に時間がかかる
・自動化しようとすると、どこから手を付けていいか分からない
こうしたExcelには、ある共通した構造があります。
今回は「ツールの話」に入る前に、
Excel作業が属人化してしまう理由と、
自動化以前にやるべき整理について整理してみます。
「この人しか分からないExcel」が生まれる構造
属人化したExcelは、決して特別なものではありません。
むしろ、多くの職場で自然発生的に生まれています。
その典型的な特徴は、次のようなものです。
- 入力・加工・集計・確認が1シートに混在している
- 手順がファイルの外(担当者の頭の中)にしか存在しない
- 「この列は触らないで」「ここは毎回手で直す」といった暗黙ルールが多い
- 例外処理が場当たり的に追加され続けている
こうしたExcelは、
作業としては回っているが、構造としては整理されていない状態です。
その結果、
- 作業内容を説明しようとすると長くなる
- 他人が触ると壊れそうで怖い
- 改修や自動化の話が出ると止まってしまう
といった状況が生まれます。
マクロ以前・Python以前の話
ここで重要なのは、
この問題はマクロがないからでも、
Pythonを知らないからでもない、という点です。
属人化しているExcelにマクロやPythonを入れても、
- 処理は速くなるが、分かりにくさはそのまま
- 修正できる人がさらに限られる
- トラブル時に誰も手を出せなくなる
といったことが起こりがちです。
つまり、
自動化できないのは「技術不足」ではなく、
「作業の切り分けがされていない」ことが原因
というケースが非常に多いのです。
自動化できるExcel / できないExcelの違い
両者の違いは、意外とシンプルです。
自動化しやすいExcel
- 入力・加工・集計・出力が分かれている
- 「何をしているか」が構造から読み取れる
- 作業手順を言語化できる
- 例外処理がルールとして整理されている
自動化しにくいExcel
- ファイルを開かないと作業内容が分からない
- 判断が担当者の感覚に依存している
- 「毎回ちょっと違う」が前提になっている
- 作業フローが可視化されていない
ここでの差は、
ツールではなく、作業設計の差です。
自動化以前にやるべき整理とは
では、自動化の前に何をすべきか。
それは大げさな改革ではありません。
- どこからが人がやる作業か
- どこまでが機械に任せられる作業か
- 毎回必ず行っていることは何か
- 判断が必要なポイントはどこか
これらを一つずつ分けていくことです。
「これは人がやる」
「これは機械でいい」
この仕分けをするだけでも、
Excelの構造は驚くほど整理されます。
まとめ
Excel作業が属人化する理由は、
スキル不足や努力不足ではありません。
多くの場合、
- 作業が整理されないまま積み重なった
- 回ることを優先して構造を見直す機会がなかった
それだけです。
自動化は、
ツール導入の話ではなく、作業を分ける話から始まります。
次にマクロやPythonを考えるのは、
そのあとでも遅くありません。

